KDP校正刷りと著者用コピーの違い|注文方法・費用・実物チェック
注文する前に、
確認用と配布用を分けよう。
KDPの校正刷りは出版前の確認用、著者用コピーは販売中の本を取り寄せるためのものです。校正刷りには再販禁止の表示が入り、著者用コピーには未出版の変更は反映されません。どちらも印刷費だけで予算を決めず、送料と届く予定を注文画面で確認します。
紙の本を一冊だけ取り寄せたいです。校正刷りと著者用コピー、どちらを選べばいいですか?
これから出す本の仕上がりを見るなら校正刷り、販売中の本を手元に置いたり配ったりするなら著者用コピーが候補です。僕は、まず「確認したい原稿はどの状態か」を分けて考えることをおすすめします。
この記事は、KDPでペーパーバックを作り、注文前後の確認をしたい方に向けた案内です。電子書籍を読むための購入方法とは異なります。日本向けの注文条件を中心に、違い、費用、注文の順番、届いた本のチェックまで整理します。僕自身が今回注文した実録や、特定の日数で届くという体験談ではありません。
校正刷り・著者用コピー・通常購入の違い
名前が似ていますが、選ぶ基準は「一番安く買えるもの」だけではありません。まだ出版していない内容を確かめたいのか、販売中の本を用意したいのかで入口が変わります。通常の商品ページでの購入とも分けて考えましょう。
| 比較する点 | 校正刷り | 著者用コピー | 通常の商品購入 |
|---|---|---|---|
| 主な用途 | 出版前の実物確認 | 販売中の本の保管・配布・再販 | 読者としての購入 |
| 注文の入口 | KDP本棚から依頼 | KDP本棚から注文 | Amazonの商品ページ等 |
| 本の内容 | 出版前に確認するテストコピー | 販売中の内容。下書きの変更は含まない | 販売される商品 |
| 見分ける表示 | 再販禁止の透かし・ISBNなし | 販売中の本を印刷 | 商品情報を確認 |
出典:KDP公式「校正刷りと著者用コピー」(2026年10月22日確認)。
校正刷りもきれいにできたら、イベントで売っていいですか?
校正刷りは再販禁止の確認用です。配布や販売に使う本を用意したいなら、著者用コピーの条件を確認してください。確認用の一冊と、読者へ渡す一冊を混ぜないようにしましょう。
なお、著者用コピーを注文したこと自体でKDPのロイヤリティが生じるわけではありません。注文履歴はAmazon側で確認し、KDPレポートの売上件数とは別に管理します。本を自分で取り寄せた数を、読者に売れた数として数えないことも大切ですね。
注文前に原稿の版をそろえる
注文前に残しておきたいのは、本文ファイル、表紙ファイル、判型、ページ数、確認した日です。「最終版.pdf」という名前だけでは、修正を重ねるうちにどれを入れたか分からなくなります。例えば日付と版番号を付け、注文時のデータを別に保存しておくと照合しやすくなります。
僕なら作業メモに「本文v03・表紙v02・注文前確認済み」のように書きます。これはKDPが指定する命名ルールではなく、自分の手元で混乱を減らすための提案です。確認を頼む人がいる場合も、同じファイル名を共有してからお願いすると、別の原稿への指摘が混ざりにくくなります。
ペーパーバックの本文と表紙はセットで見ます。本文を直してページ数が変わったなら、以前の表紙のままでよいか、現在の印刷仕様に合わせて確認してください。電子書籍用の表紙一枚を、そのまま紙の表・背・裏のデータとして扱わないようにします。
KDPに保存しただけの変更と、販売中の内容への反映は別です。著者用コピーで新しい原稿を取り寄せたいときは、変更を出版する操作と本の状態を確認します。「アップロードしたから新しい版が届くはず」と判断せず、注文時点の状態を記録しておきましょう。
紙のデータづくりから確認したい方は、ペーパーバック出版の始め方も参考にしてください。この記事では、原稿や表紙の作成全体ではなく、取り寄せ前後の確認に絞って進めます。
KDPの本棚から注文を進める
注文ボタンを押す前に、何を見ておけば安心ですか?
本の形式、今のステータス、取り寄せる目的、配送先の四つを先にそろえましょう。似たタイトルの別形式や、以前の原稿を選んでいないかも見ます。
本棚で対象の紙の本を選ぶ
電子書籍ではなく、取り寄せたいペーパーバックの欄を確認します。同じ作品の形式が複数あれば、本の形式とタイトルを照合します。別アカウントを作って解決しようとせず、対象の本がある本棚から進めましょう。
校正刷りならプレビューと依頼へ進む
公式案内では下書き状態の本について、印刷プレビューアーで承認した後に校正刷りを依頼します。部数と配送先に対応するマーケットプレイスを確認してください。依頼しただけで決済完了と考えないようにします。
届いた案内から購入を完了する
校正刷りは依頼後にメールで購入用リンクが届く流れです。公式では依頼から4時間以内の送信、メール受信後24時間以内の購入完了を案内しています。届かない場合は登録メールとカートも確認します。
著者用コピーは販売中の状態を確認する
公式の対象状態と注文メニューを確認して進めます。変更後の内容が必要なら、その変更が販売中の版へ反映されているかを見てください。メニューが出ないときは、むやみに再登録せず後の確認表で整理します。
注文内容と配送予定を最後に読む
日本向けはAmazon.co.jpから注文する案内です。注文する本、部数、住所、料金、配送予定を読み、購入を確定する前に控えます。住所に誤りがないかは自動入力された部分まで確認してください。
出典:KDP公式「校正刷りまたは著者用コピーの注文方法」(2026年10月22日確認)。
上記の時間はメールの送信や購入リンクについての案内で、届くまでの日数ではありません。依頼から24時間で本が届く、という意味には読み替えないでください。数量の上限は校正刷り5部、著者用コピー999部ですが、上限まで一度に用意する必要はありません。
注文時の画面やメールを自分用に残す場合は、注文番号や住所を含めて公開しないようにします。記事やSNSで相談したいときも、まず個人情報を隠し、何の操作で困ったかを文章で整理してください。公式窓口に必要な情報と、不特定多数へ見せる情報は分けます。
印刷費・送料・必要部数で予算を考える
著者用価格は、本の印刷コストに部数を掛けて考えます。印刷コストは判型や本文のタイプ、ページ数などによって変わるため、別の人の本の金額をそのまま自分の予算に使わないようにしましょう。現在の仕様を入力した見積もりと、実際の注文画面を見比べます。
出典:KDP公式「校正刷りまたは著者用コピーのコスト」(2026年10月22日確認)。
例えば、説明用の仮定として一冊400円の印刷費で3部なら、本の分は1,200円です。ここに、その注文で表示される送料等を加えて確認します。この400円は現在のKDPの一律価格ではなく、計算の分け方を示す仮の数字です。注文する本の仕様から調べ直してください。
校正刷り・著者用コピーは無料配送やプライム配送の対象外です。プライム会員だから送料ゼロ、と考えず購入確定前の表示を見ます。送料は部数、サイズ、重さ、配送先、配送方法などで異なるため、この記事で全国共通の金額や一冊あたりの固定額は案内しません。
出典:KDP公式「配送コスト」(2026年10月22日確認)。
送料を薄めるためだけに多めに注文すると、原稿を直したくなったときに旧版が残るかもしれません。初めて実物を確認する段階なら、まず確認に必要な部数を決め、その後に配布分を考える順番が取りやすいと思います。予定している販売部数と、確認用の部数を同じ欄に書かないことがコツです。
講座やイベントに間に合わせたいときは、「開催日から何日前なら必ず届く」と固定せず、注文時の予定を見て余裕を考えます。到着後の点検、必要な修正、もう一度取り寄せる可能性まで予定に入れると、届いた日に配布するしかない状況を避けやすくなります。
届いた本を確認するチェックリスト

本が届いたら、すぐに何十か所も直そうとするより、最初に本全体を通して見ます。その後でページ単位の点検に進むと、同じ場所を何度も確認する手間を減らせます。次のリストは僕からの点検方法の提案で、KDPの審査通過を保証するものではありません。
| 場所 | 実物で確認すること | メモの書き方 |
|---|---|---|
| 表紙・背・裏 | 文字が読めるか、切れていないか、登録情報と合うか | 表紙/右端の文字/余白を再確認 |
| 本文 | 字の大きさ、行間、開いたときの内側の読みやすさ | 12ページ/内側/本文枠を見直す |
| 目次 | 見出し名と掲載ページが一致するか | 目次/第3章/参照番号を更新 |
| 図と表 | 小さい注記、線、数字、白黒にしたときの区別 | 28ページ/表2/注記の文字を大きくする |
| 奥付等 | 著者名、連絡先、日付、掲載した案内の正確さ | 末尾/案内URL/現在のページと照合 |
本文は机の上に平らに置いた状態だけでなく、普段読む姿勢でも確認します。強く開かないと内側の文字が読めない、図の注記を近づけないと追えない、といった点は紙にしたからこそ見たいところです。スマホで拡大していた見方を、読者が紙の本でもできるとは考えないようにしましょう。
色を使った図は、色の差だけに意味を持たせていないかも見ます。「青い項目を選ぶ」という説明なのに、その本の印刷仕様では区別しづらいなら、番号やラベルを加える方法も考えられます。画面の明るさで良く見えていたものを、そのまま紙でも同じと判断しないことが大切です。
修正メモは「変だ」「見づらい」だけで終わらせず、場所、問題、直したい方向を一行にします。誤字とレイアウトの問題を分け、作業後は修正したページの前後も見直します。文字を一行追加したことで、次のページの図や見出しが動くこともあるためです。
外注先へ渡すなら、一つの一覧にまとめて送りましょう。写真を何枚も別々に送るだけでは、どれが最新の指示か分かりづらくなります。ページ番号とファイルの版をそろえ、今回直す範囲と次回の希望を分けると、見積もりや確認のやり取りもしやすくなります。
注文できない・古い内容が届いたとき
注文ボタンがありません。何度かやり直せば出ますか?
まず今の本の状態と、どのコピーを注文したいかを確認しましょう。審査中などで選べない場合もあります。表示されない理由を整理してから、公式の案内に沿って進めてくださいね。
著者用コピーのメニューは、販売中になってから表示までさらに時間がかかる場合があります。公式は一定の条件の後にさらに24時間かかる場合があると案内しています。校正刷りは、レビュー中・出版準備中では注文できないという別の案内があるため、両者を同じ手順で何度も試さないようにします。
出典:KDP公式「校正刷りの注文エラー」(2026年10月22日確認)。
手元に届いた本が古い内容なら、注文日時、変更を提出した日時、そのときの状態、保存したファイルを並べます。まず自分の下書き変更が未出版のままだったのかを確認し、それだけで説明できなければ、注文と本の情報を添えて公式の案内を確認します。原因をすべて印刷ミスと決めつける必要はありません。
KDP公式では、更新直後の注文で変更前の在庫が届く場合にも触れています。今すぐ同じ注文を追加して確かめる前に、届いた本と注文情報を保管し、問い合わせ先が求める資料をそろえましょう。ページの抜けや印刷の欠けが疑われるときも、原稿データの問題と印刷上の問題を分けて伝えます。
出典:KDP公式「印刷エラーがある場合」(2026年10月22日確認)。
更新の考え方は、出版後の原稿修正・新しい版の確認にもまとめています。電子書籍の購入者への配信と、紙の本の取り寄せは別の流れなので、同じ反映時間や手続きとして使わないでください。
よくある疑問と次に進む作業
一冊だけでも注文できますか?
少部数の確認を考える場合も、現在の本の状態と注文メニューから数量を確認してください。上限が大きい著者用コピーでも、最初から大量に用意する必要はありません。確認後に配布分の部数を決めると、旧版の在庫を抱える心配を減らせます。
校正刷りを頼めば、誤字も直してもらえますか?
校正刷りは実物を確認するための本です。注文することと、第三者へ文章の校正を依頼することは分けて考えます。誰が文章を読み、誰が修正し、誰が最終確認するかを先に決めておきましょう。
著者用コピーの代金はKDP売上から引かれますか?
注文は購入手続きとして確認し、KDPレポートの売上や入金と別の記録にします。支払い方法や請求額は実際の決済画面で確かめてください。出版の収益を考えるときは、印税だけでなく、確認用の本や送料など自分が使った費用も残しておくと比較しやすくなります。
届く日が決まってから配布を告知する方がいいですか?
告知するなら、手元にある部数と、まだ届いていない予定を分けて伝えるのが分かりやすいと思います。到着予定は確定した配布可能数と同じではありません。実物を点検する前に、すべて良品として渡せる前提で予定を詰めないようにしましょう。
まずは、本棚で対象の紙の本と状態を確認し、「確認用の注文」か「配布等に使う注文」かを決めてみてください。そこが決まれば、必要な部数、残したいファイル、届いた後に見る項目を一つずつ選べます。原稿そのものの準備で止まっている方は、自費出版の手続きと準備へどうぞ。

